Brains of Wong Kar Wai’s Creatives

ウィリアム叔父さん

日本語で読める貴重なウィリアム・チャンのインタビュー。
河出書房から出ている「+81」のVOL.30/WINTER 2005。今号の特集は、「アジアン・クリエイティヴ:香港の‘今’」。様々なジャンルで活躍するクリエーターたちを紹介。香港デザイン界で大きな影響力を持ち、ワダエミとコラボレーションもしているJoel Chu(GiGiのArt Directorなども務めている)や、WKW(ウォン・カーウァイ)の大ファンだというフランスのMarc&Chantal Design、「ドラゴン・ヒート」でエリック・コットに出会い、彼のDouble X Workshopで働き始めたという日本人フォトグラファー・花坊さんなどをとりあげている。そんな中、「Brains of Wong Kar Wai’s Creatives」というタイトルで、WKWワールドに欠かせないアーティスト、ウィリアム・チャン、クリストファー・ドイルウィン・シャのインタヴューが掲載されている。ウィリアムのインタヴューは、シャイで写真を撮られることが苦手な彼の指定で、思いきり暗い場所がいい(笑)という理由からマンダリン・ホテルのカフェで行われたそう。映画界に入るきっかけから撮影開始までの作業行程について、インスピレーションの源について語っている。気になったのが、インスピレーションに関するくだり。「それは、見つけようとするのではなく、ただ待つだけ」「そしてある瞬間、それは突然やってくる。(中略)その映画のコンセプトやストーリー、耳や目にした様々なことを頭に入れたら、ゆっくり周りを見渡す。すると、あることが映画のアイデアにぴったりくる。そこをつかめばあとは具現化していくだけ。そこからは早いですよ(笑)」と。・・・どうやら毎回時間がかかるのは、WKWだけがゆっくりしているわけではなさそう。WKWが何をしたいか、何を言っているかは、「時々わかったような"フリ"をしている」と。WKWの撮影現場については、「参加する人間は彼の現場のやり方を理解することが必要」だと。「ルーズだが、非常に面白いやり方」「映画でこの方法をとれる人は限られるでしょうが、何かを創り上げるためのアプローチとしては、理想的だと思います。」と、とっても貴重な発言をしてくれてます。おそらくもう少し長かったであろう今回のインタヴューですが、もっともっと読みたい、ウィリアムの話を聞きたい!と思わせる内容になってます。ドイルに関しては日本でも御馴染みなのでここでは省きますが、もう一つ興味深かったのがウィン・シャのインタヴュー。WKWの映画に初めて参加したのが「ブエノスアイレス」で、その時は複数のカメラマンが同行したが、ウィン・シャの写真が採用され、次の「花様年華」では、カメラマンはウィン・シャ一人になったそう。WKWからは、「テクニックではなく、彼のフィーリングを学んでいるのだと思う」と。・・・そうです。私がなぜWKWの映画が好きかというと、まさにそのフィーリングなんです。ドイルとウィリアムに関しては、彼らの他での仕事っぷりは当然素晴らしいものですが、やはりWKW映画での彼らの仕事っぷりが一番好きなのです。けどけど、次回作って撮影ドイルじゃないみたい?それならリー・ピン・ビン希望!って、既にD・フィンチャー「セブン」の人に決まり?そういえばWKWとは前に一度会ったという記事をどこかで見かけたような・・・。さてどうなるんでしょう。



ところでしばらくぶりの更新です。昨年のカンヌで「2046」の上映が無事?終わったあと、疲れちゃったんです。妊婦の身体にムチ打って夜な夜な海外サイトを巡る毎日・・・。身体にガタがきました(苦笑)。中の人に栄養をどんどん持ってかれてた時期で、とにかく眼が何やっててもすぐ疲れてしまい、産後しばらく経ってもほとんどTVさえ見ない生活でした。そんなわけで、1999年から待ち続けた「2046」がついに日本で公開された昨年冬も、我が身は臨月真っ只中。映画館で破水しちゃっても困るし、余裕なしで、結局いまだに見ていません(苦笑)。そんなヘタレなWKWファンですが、今後も気になるニュースや、新作について動きがあった時は、不定期ながらメモのごとくアップしていきたいと思います。m(_ _)m