デッドライン

Croisette Beach

カンヌ映画祭のデッドラインとは、あくまでも3月15日。そして作品の到着は3月20日のはず。そして選出されれば、プリントされたフィルムは5月8日までに到着しなければならない・・・あくまでも。wkwの場合『ブエノスアイレス』で監督賞を受賞した当時の映画祭ディレクターだったジルジャコブ氏が大変よくめんどうを見てくれているのでしょうか・・・。カンヌで一番権限があるのは、審査員でも審査委員長でもディレクターでもなければ、このジルジャコブ総代表というべきでしょう。昨年の閉幕式で審査委員長のパトリス・シェロー監督は「従来のルールとは異なる特別のケースに、ジルジャコブ会長の承諾を得た」と謝辞を述べ、結果『エレファント』がパルムドールと監督賞を、カナダの『幸せな最期』が脚本賞と女優賞を、『ウザク』がグランプリと男優賞に輝き、主要部門を3作の映画に授与するという特例を認めたのです。89年に『セックスと嘘とビデオテープ』でパルムドールを受賞したスティーブン・ソダーバーグは、史上最年少で受賞し世間を騒がせましたが、その後『アウト・オブ・サイト』を撮るまで苦労しています。『スキゾポリス』はその苦しい頃の作品で、真夜中に始まる“サプライズ・スクリーニング”でタイトルも監督名も明らかにしないままカンヌで上映され大喝采を受けました。これはジルジャコブ氏のアイデアだったとか。ジルジャコブ氏は、「カンヌ映画祭の使命は発見すること。新しい才能やトレンドそして多様な国を。カンヌは常に最先端であるべきなのです」と語っています。